■ワシントンタイムズの
報道によると6ヶ国協議を進めるヒル主席代表が6ヶ国協議に無条件で北朝鮮が参加しない場合、金正日総書記が隠し持つスイスの銀行の隠し口座について凍結を前提に調査することを示唆した。
■こういった恫喝を行う場合、実際には既に資産については完全に把握済みで、資金を移動させようとしてもそれを差し止める状態であると考えて良いだろう。先般はマカオの口座を凍結したことで、金正日本人に相当ダメージがあったようだが、スイスまでも押さえられるとかなりの破壊力がありそうだ。資金の総額は40億ドルと推定されており、貧困だといって海外から援助を受けていることが如何に欺瞞なことかハッキリしている。要は国民に分配すべきものを金正日が搾取しているのだ。
■金正日の資金源は麻薬の密輸、偽造紙幣(偽ドル、偽円などが確認されている)といったもの。これらは国家の事業として行われており、北朝鮮政府そのものが犯罪者集団といっても過言ではない。加えて他国の国民を拉致して平然とし、日本に戦後賠償を求めたりと都合が良すぎる態度には呆れる。こういった犯罪行為によって蓄積した資金であるマカオの口座凍結を解除することが協議復活への条件というから、歴史上これ程ガラの悪い国家も思い当たらない。
■確かに北朝鮮の低所得層の庶民は飢えているかもしれない。が、いくら援助をしても困っている彼らに食料や援助が到達する前に、金正日以下共産党の幹部による搾取に遭ってしまうのが現実だ。韓国で議論されているのは、こんな状況の北朝鮮への援助額を増やそうというもの。こちらも呆れてモノが言えない考え方だ。今の北朝鮮への援助はチンピラ政権への支援にしかならなず、金正日政権の維持を手助けするようなものだ。
■隣国の朝鮮半島は歴史上いつも自決してこなかった国家だ。中国、モンゴル、時には日本の支配を受け、それらをはねのけたのは自分たちではない。常に他国の力に頼んで解決するという従属的な体質で、時には本末転倒な事大主義さえ正論となってしまうのだ。
■願わくば北朝鮮国民自身が立ち上がり金正日政権を倒すことを望みたい。絶対に崩壊しないと思われていた強権的な独裁政権も民衆が決起することでほんの一瞬で崩壊している。例えばルーマニアのチャウセスク政権の崩壊がそうだった。数千、数万の群集が立ち上がれば、金や利権でしばっている護衛たちがそれ程役に立つ訳ではないのだ。そうでもしなければ、この国家はいつまでも自決できない国家のままであろう。